いきなりですが今回は、ザックリと石井さんの見識での、SIM(シム)や格安SIM についてのおはなしです。最近、巷でよく耳にするようになり、ご存じの方も多いかと思います。いろいろ詳しい話が書かれている記事もあると思いますが、ひとつの解釈として説明をしてみたいと思います。(約5分30秒な記事:約2,800文字)
スマホは2つの要素で成り立っています
昨今のiPhone をはじめとしたスマホやタブレットなどの通信端末(いわゆるザックリというところの「電話」)は、”筐体”と”通信契約カード”の2つの要素で成り立っています。テレビで言えば、テレビ本体とBCASカードのような関係とでも言いましょうか。
抱き合わされているのであまり意識されることはないかも
このように、本来は筐体と通信契約は別のものとしてそれぞれ必要になります。しかし、一般的にはケータイショップでケータイ契約した際に、これらをそれぞれ気にすることはあまりないと思います。一般的には、いわゆる「本体代金」と「通話料プラン」に加えて「様々な条件による割引」で複合的に提供されているからです。
SIM は”通話プラン”の部分のにあたる契約
一般的にiPhone を契約してきた場合を前述の要素に当てはめるとこうなります。
- 本体代金 ⇒ iPhone 筐体その物の代金
- 通話料プラン ⇒ 通話や通信をするための代金
この通話部分の契約を識別するためのICチップが埋め込まれたカードがSIMカードとなります。よって通信会社各社との契約はこのSIM カードに対しての料金契約となるのです。
都合のよいものを組み合わせる
本来はSIM 契約と本体契約は別々の扱いのものです。実際に通信会社各社でSIMのみの契約をすることは可能です。そして自分の用途に合った端末にそのSIMカードを挿入すればケータイの電波での通信はできるようになっています。
よって、お手頃な通信プラン契約なSIMカードと、知り合いから融通してもらった中古端末の組み合わせや、複数の端末を1枚のSIMの差し替えで使い分ける(あんまりやらないかも)といった展開なども道理としては可能です。
SIM ロックという制約
このようにSIM を差し替えるということさえできれば、端末の融通が可能なはずです。しかし、世の中にはいろいろな大人の都合があるらしく、これまでまではそう簡単にはこういったことを自由にさせてもらえません。
それが”SIM ロック”という考え方です。SIM契約さえあれば端末が自由に入れ替えられてしまうのではビジネス上、いろいろと秩序が成り立たなくなるようです。そしてその対策として、SIMを契約している通信会社でその通信会社のSIMに対応した端末でしか使えないようにする制約がこれまでは通例となってきていました。
これが、おなじiPhone であっても、DoCoMo 版や au 版、softbank 版 とそれぞれあって、異なるキャリアの端末とSIMカードの組み合わせでは使えないという所以でした。
端末の多様化でSIMフリーのニーズも拡大
そしてそもそもSIMカードの契約(=通話料プラン)も、主要3キャリアで硬直状態となってきています。そして、端末の多様化により、データ通信のみができればよくて、通話にかかる料金が不要なプランや、サブ機用にほんのちょっとの通話やデータ通信ができるだけのプランへのニーズなどなど、様々なバリエーションが必要になってきました。 そういった、主に小容量や低価格に特化した部分から派生してきたものが「格安SIM」というものです。
主にプロバイダ系事業者がDoCoMo 回線に乗り入れている
そしてこの格安SIM を運営する事業者も多様化しています。主にインターネットプロバイダ(建て屋にインターネット回線を接続している事業者)が主体となってSIMカードの販売が始まっています。とはいえ、かれらはDoCoMo やau 、Softbank のように携帯通信網を持っているわけではありません。そこで、この主要3キャリアのどこかの通信網へ乗り入れることで、通信カードのサービスを運営するスタイルをとっています。そしてその多くがDoCoMo 回線に乗り入れています。
格安SIM と格安端末でお手頃にスマホを利用
いわゆる「格安SIM」の会社として有名処な例としては、IIJ Mimo、B-Mobile、So-net などがあります。それらの各社プランを契約すればお手頃にデータ通信をうまく利用できます。そして、SIMロックがかかっていない端末を導入してくることで、これらの格安SIM カードを挿入することで現状の一般的な価格よりもはるかにお手頃にスマホを利用することが可能になります。 逆もしかりですが、主要3キャリアのSIMカードをSIMロックがされていない格安端末・格安スマホで活用するという方法もあります。(故障したときの代替と等のケースでありえるパターンです。)
DoCoMo の端末を持っていれば利用しやすい
とはいえ、これらのSIMカードを提供している通信事業者は先ほども述べたとおり主にDoCoMo の回線への乗り入れで運営されています。そんなこともあり、SIMロックがかかっている端末であっても、DoCoMo 端末と格安SIMカードの組み合わせの場合はそのままDoCoMo 端末で格安SIMカードを利用することもでき*、DoCoMo の中古スマホと格安SIM の組み合わせなどで比較的融通を利かせることもできます。 もっと言ってしまえば、DoCoMo 版iPhone にDoCoMo 回線乗り入れで運営されている格安SIM カード の組み合わせでも利用は可能であると言うことになります。*
(*すべての端末とカードの組み合わせにおいてではないので、必要な場合はご確認ください。)
データ通信には利があるが通話にはメリットが薄い
ここまで、SIMロックされていない端末さえあれば、通信プランはかなり自由化されているような流れで紹介してきました。しかし、これらの格安SIM はやはりそれなりの向き不向きがあります。現状では小量のデータ通信では恩恵を受けることができますが、通話に関しては割高になるケースが多いようです。さらには、プランによってはショートメール(いわゆるケータイのメール)が利用できないものもあります。 最近ではナンバーポータビリティにも対応している格安SIMも出てきていますが、手続きを自分で行うことが原則なので、まだまだ玄人向きと言えるでしょう。
結局は格安SIM はどう活用するか
様々なケースが想定されるので一概に何とも言えないところです。とりあえず私が思い当たる限りでは、次のケースの場合は格安SIM での運用は有効だと思います。
モバイルデータ通信のみで通話は不要 毎月定額支払いを避けたい 普段は利用しないけどスポットで利用することがある端末 セカンド機で無線LAN エリア以外でも利用したい 複数台もっているサブ端末をとりあえずモバイルデータ通信対応しておきたい
いずれにしても主要3キャリアのプランと格安SIM のプランは棲み分けてうまく活用することが有効だと思います。